Statement

「すべての存在は、別の世界や次元から見ると何か別のものを形作るための支持体(材料のようなもの)としても存在する」私はこの思想を支持体論と呼んで、制作活動の根幹としています。これは目の前の物や現象、自分の身体や精神までもが、実は何かを形作るための材料のようなものであり仮の姿なのだ、という考え方です。その何かとは我々が知覚認識する枠組みの外にあるものであり、本来それを知ることはできないでしょう。しかし世界のあらゆることについて「知らないから存在しない」や「存在しないから知らない」という見方だけで、全てを捉えていると考え行動することは将来性を欠いていると思われます。予測不可能なできごとや未知の現象と、これまではもちろん、これからも私たちは関わり続けるでしょう。そうした中で私は、目の前の事物が自分の目と手の中では絶対的にそこにあったとしても、はたして本当にそうであるのだろうか、という疑問を抱いたのです。私が捉えられる範囲では絶対的なこととして存在し続けるものであっても、その範囲外においては仮設的にしか存在しえないものなのかもしれない。そうであるなら、私の作品を見る者が作品体験を通して、目の前の存在や現象などを全く別のものを形作る他の存在としても見ることができるような、認識の広がりを生み出すことはできないだろうか。そしてこの広がりこそがアートとしての創造性の新たな地平線となり、また人々の創造性そのものとなるのではないかと考えながら制作をしています。