top of page
Masaki
TANI

News 2025.11.3 更

【AiRK Research Project Vol.3 ミロン・シュミュッケル+谷正輝 2人展「In Flux /流転」】

会期:2025年11月7日(金)~18日(火)
 ※会期中無休
 日~木 12:00-18:00、金・土 12:00-19:00
入場料:無料
会場:Rose Garden (ローズガーデン)
   兵庫県神戸市中央区山本通2丁目8-15
https://airk.haaymm.org/

キュレーター:森山未來
主催:Artist in Residence KOBE (一般社団法人ハイム)
協力:C.A.P.(芸術と計画会議)、KITANO THE MAGNET
(有限会社建隆マネジメント)
連携:KITANOVEMBER
※会期中に各種イベントを開催します。詳細はAiRKのSNSで順次発表します。

2人展「In Flux / 流転」

「アートという宗教」

最初は色々な宗教施設を見学したり、間の経路をわざと小道に入って大体で彷徨いながら行ったりして、多宗教多文化の混ざり合いが、高低差のある坂の構造によるものとして色々解釈を進めていました。

ただ徐々に宗教関係なく、音楽を信じている人たちはライブハウスや楽器店に集ったり、美食を信じている人は様々な国の専門店で食事をしたり、ファッションを信じている人はブティックや古着屋で目当てのものを探したりして、それぞれに信じている世界が上手に混在しているような感覚になっていきました。

それでは美術作家としてアートを信奉している私は「アートという宗教」の信者ではなかろうかと。そうであれば、展示会場に架空の宗教施設を作ったら面白いのではと思いました。

アートがその発祥として大きくは、宗教建築の偶像や装飾だったものが、貴族や富裕層の邸宅を彩るものとなり、時代を経てアートそのものの自立性を問うようになって今の現代アートになっていった歴史を考えると、現代アートとして制作してきた僕の作品などを、一つの仮宗教施設の内部へ配置することでこそ、私の信じる「アートという宗教」が具体性を帯びると考えました。

「神戸」=「神の戸口」と読むと、北野の場合は高低差のある街並みが、参道を上る巡礼の身体感覚を想起させ、土地そのものが信仰と生活の交差点を形づくってきたとも言えます。諏訪神社へのほぼ45度の道のりでよりそのことを体感しました。

更に言えばその高低差が余白として機能しているとも言えます。宗教施設同士が坂や段差で直接向かい合わず、少しずつずれて配置されています。この「ずれ」や「段差」が、互いの宗教的領域を緩やかに区切り、摩擦を和らげているのかもしれません。つまり差異を消すのではなく、差異のまま共存できる空間的な間合い が確保されているともいえます。社会においても同じで、価値観や生活習慣の「ずれ」を排除せず、それを余白として機能させることが重要です。この余白が「間・間合い」に関連すると考えます。

ただし以上のことは推論なので、実際に暮らしている方々はどう感じているのか分かりません。しかし近い将来日本全土が同じように、多言語多文化多宗教の時代になっていくのは、人口問題から言っても否定はできません。であれば、ここで私が信じる「アートという宗教」を通して、見る人々特に無宗教を自負する割合の高い日本人が、「人は何を信じ、何に支えられているのか」を改めて問い直し、想像力をもって自分以外の人々が信じている「なにか」を、どう捉えてどう感じ、どのような態度で向き合うのかを考えるきっかけになればと思います。

  • Instagram

instagram

  • Facebookの社会的なアイコン
  • Instagram
  • Twitterの社会のアイコン
  • YouTubeの
bottom of page