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2023

318 × 410 × 120 mm (whd)
 

 

「すべての存在は、別の世界や次元から見ると何か別のものを形作るための支持体としても存在する」私はこの思想を支持体論と呼んで、制作活動の根幹としています。作品を制作する上では支持体という言葉を、「作品を構成する材料のようなもの」という意味と、「アートという実態のない本質性を、媒体物として同期させるもの」という意味で捉えています。本作では《Surroundscape》と《Graviternal》の2つの作品シリーズを組み合わせた形態となっています。《Surroundscape》は様々なモチーフを囲うように木材などを組み合わせたり、種々のマテリアルを付着させるようにして、元のモチーフを文字通り支持体として使用しながら仮設的な状態性を表現している作品シリーズです。本作のモチーフには3Dプリントされた仏像を用いています。データはミネアポリス美術館収蔵の、3世紀頃パキスタンで制作されたと思われるガンダーラ美術の仏像データをインターネット上でダウンロードして使用しています。《Graviternal》はケイ素に着色剤を添加した独自のモデリング材を、パネルへ押し当てて擦り付ける力の強弱によって現れるイメージを通して、昨今多次元間の往来が示唆されている重力にフォーカスを当てた作品シリーズです。これら2つのシリーズを組み合わせることで、前述した支持体の2つの意味合いを包含した作品として表現しています。

39. Graviternal installed Surroundscape #1

¥165,000Price
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